三建を支えるプロフェッショナル

2025.09.27

「エネルギーと健康」「暮らしと未来」をつなぐ2050年の住まいづくり【Panasonic × SANKEN】vol.2

「エネルギーと健康」「暮らしと未来」をつなぐ2050年の住まいづくり【Panasonic × SANKEN】vol.2

「2050 STANDARD HOUSE」をブランドミッションに掲げ、高性能な家づくりに取り組むSANKEN ARCHITECTS。
私たちは播磨地域を牽引すべく日々商品の開発に取り組んでいます。

今回広報チームでは、SANKEN ARCHITECTSで採用している建材を紹介しつつ、住宅業界の性能やミライについてたくさんのメーカー様と連載形式で語り合っていきたいと思います! 

今回は先進技術を通じて社会課題に応えるパナソニックの門真本社・工場を訪問。
パナソニックの白石様にご案内いただきながら、広報メンバー・荒巻が、未来の暮らしを形づくる最新の製品や取り組みを体感しました。



これからの日本では、少子高齢化に伴う健康問題と、エネルギーの安定供給・環境負荷低減という二つの社会課題が、同時に住宅分野に突きつけられると予測されます。
住宅は、快適で健康的な暮らしを守る「器」であると同時に、地域のエネルギーインフラの一部としての役割も担うことが求められます。

今回の訪問では「エネルギーと健康」「暮らしと未来」という二つの接点を深掘り、SANKEN ARCHITECTの家づくりとのシナジーを検証しました。


三建では、未来基準の住まいとして「2050 STANDARD HOUSE」を掲げ、断熱・気密・空気環境・省エネ・耐震といった性能を多角的に探求してきました。
その中で私たちは、「住まいの性能」と「人体や健康」との関係性に注目し、“医学”の視点を掛け合わせることが、次世代の住まいづくりにおいて極めて重要であると感じています。
今回の対談では、先進技術を通じて社会課題に応えるパナソニック様とともに、「エネルギーと健康」「暮らしと未来」の接点を深掘りしていきます。対談の舞台は門真本社・工場。実際に現場を歩きながら、同社が取り組む最先端の製品や取り組みを体感しつつ、三建が取り扱っている商材との関係性にも焦点を当てます。


門真本社・工場見学記


門真本社のショールームに足を踏み入れた瞬間、三建広報の荒巻は思わず立ち止まりました。

「もっと製品単体の展示を想像していましたが…これは“暮らし”そのものですね」


応えたのは、パナソニックの白石氏。
「私たちは製品単体を売るのではなく、その先の暮らしを提案したいと考えています。だから空間全体をコーディネートして展示しているんです」


フロアには、インテリアや照明、小物までが一体となった生活空間が再現されていました。
展示空間で目を引いたのは、ドアや造作家具、床材の展示。


三建でも採用する「ベリティス」シリーズは、樹脂シート仕上げによる高い耐久性と、豊富な色柄展開が特長的。
樹脂シートは、紙シートに比べて引っかきや衝撃に強く、表面が破れにくい。



白石さんに実演頂いた、油性マジックで落書きをしたパネルを布で拭き取ると、跡形もなく消え、生活の中で付くちょっとした汚れやシミも、簡単に落とせる事に驚きました。
「小さなお子さんやペットがいるご家庭でも、白や淡色のドアや造作をあきらめなくて済みます。これが空間デザインの幅を大きく広げるんです」と白石さん。
荒巻も頷きながら、「現場でお客様に提案するとき、こういう“暮らしやすさの裏付け”は本当に助かります」と応えた。

換気システムと健康の関係性


SANKENが重視するテーマのひとつが「空気環境」です。
住宅性能をうたう上で、断熱・気密・耐震をうたう企業は多くありますが、換気システムにこだわりを抱いている会社は少ない。
 三建が採用する「床下排気・天井給気」の方式は、空気の淀みを防ぐ仕組みです。
「給気口は目立たない位置に設置し、暮らしの景観を損なわずに快適な空気を維持できます」と白石氏。



荒巻は、医学的視点の重要性を重ねて、
「室内の二酸化炭素濃度や湿度は、集中力や睡眠の質、アレルギー症状にも影響します。住宅の空気環境は、もはや“健康設備”のひとつと言えますね」


パナソニックも高気密高断熱住宅で生活する中で、より新鮮な室内空気質(IAQ)を維持する研究に力を注いでいる。もちろん花粉やPM2.5等の微細な粒子を室内に入れないためのフィルターにもこだわっている。
さらに、熱交換素子への研究も進めている。熱交換素子とは、屋内と屋外の空気を入れ替える際に、熱や湿気を効率的に交換する部材で、エネルギーロスを抑えながら、汚れた室内の空気を排出し、新鮮な外気を室内に取り込むことができます。 



温度と湿度の変化に合わせて最適な運転をコントロールするIAQ制御も設計。これにより、自動的に健康的な住環境の維持に寄与する事ができる。
さらに、HEMS機器の必要性や省エネ効果についても触れ、特にIoT機能の重要性を強調。
白石氏はエネルギー系のミッションに基づき、持続可能な社会を築くための暮らしの重要性を語る。
「ユーザーの満足度を一時的なものではなく、一生使えるものとして捉えるべきだと考えています。」

GX・ZETを見据えた未来戦略


「国策に呼応するGX推進」「太陽光・蓄電池を含めたエネルギー施策」「ZET(Zero Energy Town)を見据えた総合的提案力」についてもご紹介いただきました。
総合メーカーとしてエネルギー分野の最前線を走るパナソニックは、GX(グリーントランスフォーメーション)やZET(ゼロエネルギータウン)といった未来構想にも積極的に取り組んでいる。太陽光発電・蓄電池・HEMSを組み合わせたエネルギーマネジメントの実証を進め、住宅単位から街区全体へのスケールアップを視野に入れている。
「これからの家は、エネルギーを消費するだけでなく、生み出して循環させる存在になります」と白石氏。
荒巻も、「地方ビルダーとして、私たちはそれを地域に実装する役割を担っていきたい」と強く感じました。
特にパナソニックは、エアコン、換気、照明器具、給湯全てに対応可能。エネルギー施策に関しては業界の最前線を走るという自負を持っている。
脱炭素・カーボンニュートラルを実現するために、「所有(OWN)」「貢献(CONTRIBUTION)」「未来(FUTURE)」の3本柱を掲げ、2020年を起点に、社会や製品を通じてCO₂削減インパクトを創出する環境戦略を展開している。
GXトライアルキャンペーンでは、エネルギー効率や断熱性能に関する無償診断を実施している。さらに、国の政策として重要視されている補助金制度を活用することで、新たなビジネスチャンスにもつながる。
また、住まいの快適性を考えるうえでは、エネルギーだけでなく健康面も欠かせない。パナソニックは健康に関する研究や情報発信にも注力しており、その重要性を改めて確認した。

健康と住まいの未来

住宅業界では、住まいの性能を高めることに加えて、健康的に暮らせる環境づくりが大きなテーマになっています。最近ではヒートショックによる事故がニュースになることもあり、改めて気をつけなければならないポイントだと感じます。
白石氏は「エネルギーを扱う会社として、健康への取り組みは欠かせない」と語ります。快適で安心できる設備を長く使い続けてもらうことが、持続可能で豊かな暮らし、そして社会づくりにつながっていくという考えです。
さらに、太陽光発電や蓄電池の導入を進めることで光熱費の負担を減らせるだけでなく、災害時に備える力を高めることにもつながります。国の補助金制度を上手に活用しながら、こうした取り組みを広げていくことも大切だと話してくれました。


パナソニックと三建の親和性



「暮らしの『ずっと』をつくる。」――

パナソニック ハウジングソリューションズが掲げるこのスローガンには、単なるモノづくりではなく、人が長く安心して暮らせる未来を見据えた思想が込められています。


あきのこない上質なデザイン、日常を支える便利さ、そして環境にやさしい省エネ性能。

ひとにも環境にも寄り添う住宅設備を通して、「今を楽しみながら、長く愛せる暮らし」を届けてきました。


一方、三建は「2050 STANDARD HOUSE」というミッションを掲げ、地域に根ざした高性能住宅の提供に挑戦しています。

瀬戸内式気候という独特の環境に合わせ、20年以上前から断熱の研究と改良を重ね、外断熱工法や国内最高水準の断熱材を駆使し、暑さや乾燥といった課題を克服する住まいを実現してきました。

加古川・姫路・明石・神戸に根を張り、今では大阪にも拠点を広げ、地域ごとの最適解を追い求めています。
両社の思想は、一見すると「設備」と「住宅」という異なる領域のようでありながら、共通して「2050年を見据えた持続可能な暮らし」を軸に据えています。


パナソニックの技術とデザインによる「愛され続ける住空間」と、三建の地域に根ざした「高性能で快適な家づくり」。

この2つが重なり合うことで、「未来を先取りしながら、ずっと快適で愛着のある暮らし」を実現する強力なシナジーが生まれます。


私たちが目指すのは、単に家を建てることでも、設備を整えることでもありません。

人々の生活そのものを、もっと豊かに、もっと長く楽しめるものへと進化させること。
パナソニックと三建――

それぞれの強みが共鳴することで、2050年を見据えた「未来のくらし」は、すでに今ここから始まっています。




共創が描く暮らしの未来



今回の対談では、パナソニックが見据える「エネルギーと健康を軸とした暮らしの未来」についてお話しいただきました。


その中で、三建が掲げる「2050 STANDARD HOUSE」というミッションとのシナジーを感じる時間となりました。
「地方高性能ビルダー×メーカー」の枠を超えたシナジーを今後いかに深めていけるか。

性能・デザイン・健康を本気でとらえ、数値以上の視座で住宅性能を語らう事が未来の住まいを本気で実現する企業たちの姿だと感じる時間でした。
製品単体の性能ではなく、それがもたらす暮らしの質をいかに高めるか――。
門真のショールームで感じた温かみと先進性は、三建が目指す「2050 STANDARD HOUSE」の理念と確かに重なっていた。両社が培う技術と思想が交わることで、地域の暮らしはより豊かに、より持続可能になっていくはずだ。


荒巻は最後にこう締めくくりました。
「性能の先にある“心地よさ”を、これからも一緒に届けていきたいですね」