三建を支えるプロフェッショナル

2026.01.31

「建築士」としてのスタンスと自由設計の神髄を提示。~高木さんの設計哲学と三建人としてのプロフェッショナル~|社員インタビューvol.2

「建築士」としてのスタンスと自由設計の神髄を提示。~高木さんの設計哲学と三建人としてのプロフェッショナル~|社員インタビューvol.2

Ⅰ. 建築士という道の始まり


「小さい頃は『レゴ』とかブロック遊びが好きだったんです。大工に憧れていました。」
 
そう語る髙木さんの“原点”は、幼少期の素朴な好奇心にある。
大学では志していた建築学科で学び、意匠デザインゼミではル・コルビュジエや原爆ドームなどの建築的意義を研究。都市計画のような大きなスケールか、身近な住宅か──建築にどう携わるかの分岐点で髙木さんが選んだのは、人の暮らしに最も近い「住宅建築」だった。
 
社会人としての第一歩は、「営業兼設計」という複合的なポジションから始まった。

「設計の理想だけでなく、お客様の現実と向き合う訓練になりました」
 
と髙木さんは振り返る。この経験が後の“理由ある設計”の基礎を築いた。
 
「より良い住まいをお客様に提供したい」

その想いが、髙木さんを三建へと導いた。


Ⅱ. “Why”から始まる設計哲学

髙木さんが設計に取り組む際、最初に投げかける言葉は常に「Why?」。なぜこの空間が必要なのか。なぜこの素材を使うのか。
 
「手段や形から入ると、設計が自己満足になってしまう。だからこそ、理由を明確にすることが大切なんです。」
 
影響を受けた建築家を訪ねると建築家・伊礼智氏を挙げた。
伊礼氏の思想には、「風土に寄り添う」「装飾に頼らない」美しさがある。その“考え方の芯”は、髙木さんの設計哲学にも通じている。一方で、髙木さんの設計は論理だけでは完結しない。
 
「大工が“木使い”“木配り”をするように、“気遣い”“気配り”をお客様にしていくことを常に心がけています。」
 
合理性と温度。その両立が、髙木さんの“信頼をつくる姿勢”を支えている。


Ⅲ. ニーズの中のニーズを“採る”


「広いリビングが欲しい」と言われた時、髙木さんはその言葉を鵜呑みにしない。

「本当に求めているのは、家族団らんの時間なのか、来客時の快適さなのか──その“背景”にある思いを“採る”ようにしています。」
 
この“採る”の感覚は、営業経験から培われた。顧客の言葉の奥にあるニーズを見抜き、生活のリアリティと理想を繋げる。それが髙木さんの言う「理由ある設計」だ。
 
「お客様の“何となくのニーズ”を“こだわり”に変える理由を。」
 
そう語る髙木さんの提案は、デザインを超え、顧客に“理解と納得”を届ける行為である。


Ⅳ. イエスマンでは創れない

顧客の要望にすべて「はい」と言う設計士は、一見親切に見える。しかし髙木さんは「イエスマンでは良い家は創れない」と断言する。
 
「お客様にとって最善の選択を考えた時、時には“ノー”を伝える勇気が必要です。」
 
短期的な満足より、長期的な価値を優先する。その姿勢が、やがて深い信頼を生む。
 
「100%満足よりも、10%の“余白”を残すくらいがちょうど良い。住んでから気づく“なるほど”が、暮らしの成熟につながると思うんです。」
 
髙木さんにとって“完璧”とは、変化を許容する状態。それは、誠実さに裏打ちされた柔軟なプロフェッショナリズムの証でもある。



Ⅴ. 自由と効率、そしてチームでつくる家づくり


三建の設計は、建築設計事務所に匹敵する自由度を誇る。
しかし、自由には時間がかかる。効率化の波が押し寄せる中、髙木さんは「自由度をどう守るか」という葛藤に立たされている。
 
「自由な提案を求めて三建を選んでくださったお客様に、効率だけで応えることはできないと思っています。」
規格化の流れに抗い、オーダーメイドの提案を続ける。

それは決して楽な道ではないが、「その分、仕事の質と満足感は高い」と語る。
効率ではなく、信頼で評価される設計へ──。
その信念が、髙木さんの仕事を支える軸となっている。そして、髙木さんは家づくりを“設計だけで完結する仕事”とは考えていない。


 
「僕の仕事は設計。その後、工事担当へ引継ぎ、完工後はメンテナンス担当が末永く関わる。ですので、様々な人がお客様の住まいに携わっているという意識も大切なことだと思っています。」
 
この言葉には、髙木さんの考える“信頼の循環”が込められている。

家づくりは設計士ひとりの成果ではなく、営業・施工・管理・メンテナンスまでを含めたチームとしての仕事であり、その連携こそが「理由ある設計」を支えている。営業・設計・施工・メンテナンスがよりシームレスにつながる仕組みを整えることは、これからの課題であり、同時に大きな可能性でもある。
 
「組織としても、“チームでつくる”という意識をもっと根付かせたいと思っています。」
 
髙木さんにとって“理由ある設計”とは、図面の完成度だけでなく、人のつながりによって生まれる信頼の総体でもある。
自由度の追求と効率化への挑戦、そしてチームとしての成熟──。
そのすべてが、髙木さんが目指す“これからの三建の設計”の輪郭を形づくっている。



Ⅵ. 次のフェーズへ

「今、少しマンネリを感じているんです。」


 
意外な言葉だった。
しかし、そのマンネリを打破すべく見出したことは“マネジメント”。
 
「後輩育成の重要性や必要性という意識は高まっている」と話す。
 
同時に、「提案の幅を広げる努力も忘れたくない」とも語る。
“良い家”の定義はお客様の数だけある。自らの哲学を軸にしながらも、多様な価値観を受け入れる柔軟性。それが、髙木さんが次に目指す「理由ある進化」だ。

髙木さんという建築士を一言で表すなら、「誠実な論理人」だろう。
感性ではなく理由で語り、効率ではなく信頼を選ぶ。
その背後には、住宅の“設計”を預かる者としての誠実さが感じられる。
 
「理由ある設計」──
それは、図面の中だけで完結しない。
お客様の思いを理解し、信頼でつながる関係を築くこと。
その過程そのものが、髙木さんの描く“良い家づくり”なのかもしれない。