株式会社三建では、毎年、全社員が一堂に会する社員旅行を実施しています。
職種や年代を超えて交流し、同じ方向を見つめながら歩むための時間。
今年は熊本・鹿児島をめぐる2泊3日の旅でした。
歴史や文化、そして自然を通して、自分たちの仕事の意味を改めて見つめ直すような濃密な旅となりました。
【1日目】熊本の地で、“歴史と復興”にふれる
朝、姫路駅に集合したメンバーたちは、新幹線に乗り込み一路熊本へ。
普段は現場や部署ごとに別々の場所で働く社員同士が、同じ時間を共有するという非日常。
道中の車内では、和やかな会話と笑い声が絶えませんでした。

最初の目的地は「熊本城」。
2016年の震災からの復興が進むその姿は、まさに“再生”の象徴。
石垣の緻密な積み方や、構造補強の工夫に足を止めて見入る社員も多く、
「耐震補強の技術ってこうやって歴史の中で磨かれてきたんだな」
「建築って、ただ建てることじゃなく、守り継ぐことでもあるんだ」
といった言葉が自然に交わされていました。
設計・施工の垣根を越えて建築物に関して語り合えるのも、三建の社員旅行ならではの光景です。
普段は真剣な表情の社員たちも、このときばかりはリラックスした笑顔。
「こういう時間が、チームの雰囲気を良いものにしてくれる」との声も聞かれました。

午後は「水前寺成趣園」へ。
池泉回遊式の庭園を歩きながら、自然と人の調和に見入る姿が印象的でした。
“景観設計”や“住環境”という言葉が三建の社員たちから自然に出てくるあたり、
日常の仕事の延長線に、風景や文化を見つめる視点が根づいていることを感じさせます。
夜は鹿児島市内のホテルで懇親会。
各部署の垣根を超えて交流する恒例の「大宴会」では、
食事を囲みながら部署・支社の垣根を越えて懇談が飛び交いました。
終盤にはビンゴ大会も開催。
当たっても外れても大笑い、会場は終始大盛況でした。
普段は真面目な技術者たちのユーモアあふれる一面が見られた夜でした。
【2日目】知覧に学ぶ——“想いを受け継ぐ”ということ

2日目のテーマは「学び」。
朝からバスで向かったのは、鹿児島県南九州市の「知覧特攻平和会館」。
資料や手紙の一つひとつに込められた想いに、誰もが言葉を失いました。
「建築も命を預かる仕事。安全という価値を、もっと深く考えなければ」
という声が静かに上がり、心に刻むように展示を見つめる社員の姿が印象的でした。
その後訪れた「知覧武家屋敷群」では、江戸時代の町並みを歩きながら、
“手仕事の美しさ”“素材の持つ力”といった話題が自然に広がりました。

建築やデザインに携わる者として、昔ながらの住まいに息づく知恵に触れる時間。
ある社員は「昔の家って、性能というより“心地よさ”を大事にしていたのかもしれませんね」と語り、
それをきっかけに「今の家づくりに活かせることは何か」を語り合う姿も見られました。
夕食は黒豚しゃぶしゃぶ。
温泉地ならではのゆったりとした時間の中で、それぞれの旅の気づきを共有。
設計チームの若手が「こういう体験をデザインに還元できるようになりたい」と話すと、
先輩社員が「経験はいつか設計の言葉になる」と返す。
そんな対話に、三建という組織の温かさと深みを感じました。
【3日目】自然と祈りの地——“心を整える”旅の締めくくり

最終日は、鹿児島の象徴・桜島を望む「仙厳園」へ。
青空の下に広がる庭園と、遠くにそびえる桜島の雄大な姿。
“自然と共生する住まいづくり”というテーマが、あらためて胸に響く瞬間でした。
「建築も自然の中の一部。どう調和させるかがデザインだね」
という言葉に、多くの社員がうなずいていました。

旅の締めくくりは「霧島神宮」へ。
杉木立の参道を歩きながら、それぞれがこの一年の成長と感謝を胸に手を合わせました。
「また来年も、みんなで来たいですね」
そんな声が自然と上がり、旅の終わりを惜しむ空気に包まれました。
旅を終えて——“人が会社をつくる”という原点
今回の社員旅行で感じたのは、三建の強さは“人”にあるということ。
技術や知識を磨くだけでなく、互いを理解し、尊敬し合う文化が根づいている。
その土台があるからこそ、どんな現場でも最高のパフォーマンスが発揮できるのだと実感しました。
社員旅行は、単なるイベントではありません。
「同じ目的に向かう仲間」としての信頼を深める時間。
そして、各自が自分の仕事に誇りを持ち、次のステージへ進むための“充電の場”でもあります。
こうした時間を全社員で共有できるのは、
地域に根ざしながらも安定的に成長を続ける三建という企業の基盤があるからこそ。
この“人を想う文化”こそが、三建の最大の強みです。
今回の旅で得たのは、風景や味の記憶だけではありません。
「仲間をリスペクトする気持ち」「建築の原点を見つめ直す視点」
そして「働くことの喜び」。
これらを胸に、私たちはこれからも「2050 STANDARD HOUSE」の理念のもと、
未来の住まいづくりに挑み続けていきます。